(記者)
すいません。リニアについて伺いたいんですけれども、今月の17日で、リニアの国交省認可から丸6年を迎えるんですけれども、6年経っても静岡ではなかなか着工ができないような状況になっている現状について、どうしてこういう認可があってここまで来ちゃってるのかっていうことについて改めて知事がどういうふうに分析されているかということと、あとこれからどういうふうに進めていこうとお考えになってるか。あともう一つ、知事がこの間県議会で、国論巻き起こすのが、リニアについて国策だから国論を巻き起こすのが私の姿勢だっていうお話をされて、事実、国論が一部っていうか起きてるところもあると思うんですけれども、ここについて、具体的にどうやってさらに国論にしていくかっていうところもお考えがあれば伺えますか。
(知事)
そうですね。南アルプスの保全、それから水の確保、流域住民の方たちの生活を守ると、これが私の使命としているところであります。そうしたことが守られるかどうかということで、JR東海さんに質問したところ、それは明確に答えが返ってこないと。それが政治的な争いになってはいけないので、従って専門部会を設けまして、二つの部会を設けて、JR東海さんと2年に渡って議論をしてきたと、こういうわけですね。そこで、47項目のですね、項目につきまして、きちっとした回答が出てこないということになって、スタンドステイって言いますか、なってきたと。そこで国交省が入ってきたと。国交省でも5回やりましたけれども、流量の問題についてさえですね、議事進行にも疑義があるということになっていると。そうした中、静岡県が何かリニアの着工を遅らせているというですね、風評立たせている人がいるんですね。ですから、これを払拭するために、どうするかと。そしてリニアというのはもう日本の交通体系の言ってみれば、文字どおり幹線でございますので、このリニアに関わる国民も非常に多いと。特に、沿線自治県ですね、そういう方たちは、何が起こってるんだということを正確に知っていただきたいと思っております。ですから、多くの方々に知っていただくために、国交省がやるならば、国策であるならば、これは全面公開でやってくださいと、議論してきたことは47項目ありますと、大きな柱は流量です。水質です。生態系です。また残土置き場です、と大きな柱を立てまして、それぞれに小項目で、具体的なものが答えられていませんと。それを答えるためには誰が答えるのかというと、県ではありません。国ではありません。JR東海です。JR東海の資料が出てこなくちゃいけないということですね。そうしたらこの間、9月上旬に静岡新聞、中日新聞でなくて残念でしたけれども、そこで非公表資料が出てきたわけですね。そういったものがあるということすら知らなかったと。これはジャーナリストのですね、手柄ですよ。事実を突き止めるということはですね、非常に大事なことです。私が言ったことをそのまま書くのは中学生でもできますから、きっちりとこの真実を追いかけるということが極めて大事で、それでそれがわかったので、議会でですね、こういう公表資料もあるということが分かったので出してくださいと。そしたら、社長さんは出すとおっしゃった、はずです。ところが、今日返事が来たということでですね、今日うちの三羽烏のですね、お2人が来られている。三羽烏というのは、市川部長、それから織部さん、それから田島君です。お二人ともどうぞ、こちらにどうぞ。関連のことです。
(くらし・環境部 織部理事)
くらし・環境部理事の織部でございます。先だって議会の方で知事の方からですね、非公表資料についてですね、関連する資料を出すようにということで、事務方に指示しましたというお話がありました。9月30日にですね、10月の2日です。すいません。文書でですね、関連する資料についてはですね、公表すべきものですから、公表をしていただきたいという文書を出しました。本日の午前中にですね、その回答がありまして、JR側としてはですね、大井川流域の一部のみ抜き出して、不適切に使用すると、大井川流域の皆様に不安を与えてしまう結果につながりかねません。従いまして、関係資料を公開することは適当であるとは考えておりません、という文書を今日午前中にいただきました。地元の皆さんはですね、その都合の悪い資料が隠されてるんじゃないかというところに不安を感じておりますので、こういった資料につきましてはですね、きちんと公表すべきというふうに考えておりますので、引き続きですね、何らかの形で公表するようにですね、働きかけていきたいというふうに考えております。
(くらし・環境部 田島理事)
くらし環境部、理事田島です。よろしくお願いいたします。我々もですね、事務局ベースで担当の方といろんな話をしているときに、まず何が大事かという時には、やはり地域の住民の方に理解してもらうということがやはり大事だというようなことはですね、お互い話をしているところなので、であれば、そういったことをですね、早めに解決する一つの手段として、なるべく情報については公開してくださいということを申し入れているところなので、今後とも粘り強くそういったことをですね、伝えていきたいというふうに考えております。
(篠原知事戦略監)
この点についてご質問のある方いらっしゃいますか。
(記者)
すいません、この公開することは適当であるとは考えていませんという回答だったということなんですけれども、県からは、一応該当の資料を提供するようには求めたということでよろしいのかということと、あと県には一旦、同じ資料が以前に貸し出されていたと思うんですけれども、今回は、この資料に関しては提供をしていただけないということになったのか、そこの認識について伺えますでしょうか。
(くらし・環境部 織部理事)
県の方からですね、その2枚目にありますけれども、何らかの形で公表してくださいという求めをしておりまして、その方法についてはですね、協議させてくださいという形で申し入れをしてます。それに対して、JRから公開するっていうことは適当ではないという回答をいただいたということです。なので、どういった形でもいいですから、その不安を払拭するためにはですね、きちんと何らかの形で公表してくださいという求めをこれからもしていきたいと考えてます。
(記者)
そうしますと、その該当の資料に関しては一応手元には、県のところには来ているということなんでしょうか。
(くらし・環境部 織部理事)
それは当時、借用されたものでありまして、それについては返されておりますので、今手元にはありません。
(記者)
そこのところは改めて精査する必要性というか、その辺は、お考えがあるんでしょうか。
(くらし・環境部 織部理事)
どれだけの資料がですね、全体が公表されてないのかっていうのは確認する必要があるかなというふうに思います。
(記者)
ありがとうございます。
(篠原知事戦略監)
他には何かあります。
(記者)
リニア関係でいいですか。リニアの改良型車両の走行試験が始まってるんですけれども、知事は以前リニアを使う電力について懸念を示されてましたけれども、改良型車両は電力の面で改善されてるということなんですが、改良型車両について、知事の感想なり期待はありますでしょうか。
(知事)
この技術改良はですね、おそらく1970年代から日進月歩でやってこられたと思います。一番大きいのは安全ではあるけれども、コストが高いということだったわけですね。コストの最大のものは何といっても10cm浮かすわけですから、しかも500km/h以上で飛ばすわけですから、膨大なエネルギーが必要になるんですね。ですからこれを何で賄うのかということは当然問われますし、それからまた、その電力を使うと、それコストがかかってきますので、そのコストはどれくらいなのかと、それは運賃に当然反映されるということでですね。目下のところ私は技術改良は、つい最近ですと誘導電流というのも発見されたというか発明されたということで、東芝と日本電気が、確かそういう技術を発見されたと思うんですけども、こうしたものをですね、うちの一つだと思っております。どのくらい改良されたか、申し訳ないけれどもあまり知らないんですよ。
(記者)
あとリニア関連で、リニアが全線開通した後の、ひかり、こだまの増発なんですけれども、それは知事はどの程度、実現の可能性はあると思いますか。
(知事)
大いにあると思います。ただしですね、これはコロナが起こる前のことですね。その7000万人の巨大都市圏を作るっていうのが、いわゆるスーパーメガリージョンという名前で言われている構想で、大阪、名古屋、東京、これが一つの都市圏になるという構想。なんですね。ということはですね、今ご案内のように、大体3分の1弱が東京ですね、東京だけです。そして、愛知県と、それから京阪神で、7割5分とか8割の人たちがですね、感染してるわけです。ただこれ感染ベルトになるじゃありませんか。ですから、そういうことで果たしてこれ、乗るかどうかってことも思います。ただしですね、もしできますと、そうすると東京と大阪の間が少なくとも物理的距離は同じでも時間距離が短縮されますので、それを利用する人が出てくるかもしれないと。そうするとそれを今まで担っていたものがのぞみですから、のぞみの機能はリニアに移転すると。そうすると残ってくるのは、ひかりとこだまってことになると。言い換えると超特急はリニアに譲って、急行と各駅停車、ひかりとこだまが増えると。今のところ1時間に13本くらい走ってるわけですけれども、そのうち9本10本はのぞみですから、大体4本、静岡県の場合ですと、こだま2本ひかり2本が1時間平均ですね、走っているということでございますが、これが増えるというふうに思います。
(記者)
普通の道路の場合、バイパスを作ったからといって、本線を不便にするってことはあり得ないと思うんですけども、それでいくとリニアができて、わざわざ便利なのぞみを減らしてまで、ひかりとこだまを増やす義理は特にJRにはないんじゃないかと思うんですけれども。
(知事)
それは知りませんが。通常、そう考えますわね。そしてまた静岡駅にですね、キャンペーンを張られた時に、文字どおり、ひかりとこだまも増えますよっていうふうに言われてるわけです。私はもうリニアの計画決まった時にですね、ひかりとこだまが確実に増えると。これはずっと関与してきましたから、静岡にとっては有利だということで、そういう方向で動いたという経緯もありますから。しかしですね、果たしてリニアに乗るかということですね。当然この東京大阪間の運賃というのはですね、何と比べるとかというと、もちろんのぞみと比べます。しかし時間を取る人もいるでしょう。だけど一方で、飛行機よりも高いということになったらですね、果たして乗るかっていうことになってきます。ですから、今度は運賃の問題も出てくるでしょう。そういうときにはつまり東日本大震災以前はですね、原発っていうものが全体、日本の電力発電の5割くらいを、4割5分から5割に持っていこうというのが国策だったわけですね。で、それはもう破綻したわけですね。安全神話が壊れました。そしてもう東電は駄目です。関電も不祥事が起こってですね、厳しいと。また中電の場合は、いわゆる6号機の新設っていうのは止まりました。プルサーマル計画も止まりました。それから、処理場にも目処が立っていません。ですから浜岡原発も動かすことができないと。そうすると原発は頼りにならないと。では何ですかと。そうするとCO2を出す火力発電ということになります。日本の火力発電は非常にレベルの高いものですけれども、にもかかわらずですね、小泉環境大臣のように説得力のあるお話をされても、国際世論はそれを許さないということで、つまり火力発電所の新設もなかなか難しいということがあります。そうすると残るのはなんでしょう。水力発電。水力発電は大きなダムがですね、今堆砂問題で揺れています。ですから小水力発電が色々と奨励されてますけれども、大きなダムを作るってことは、むしろ反対が大きいと。あの群馬県の何て言いましたっけ。八ッ場ダムですか。そこの経緯も御存知の通りでございます。ですから、非常に難しいと。残るのはなんでしょう。風力とあるいは温泉熱とかいうことになってきますからね。太陽発電とかね。それで膨大な電力を賄えますかというと、常識的に考えて極めて難しいと。ですからよほどですね、その改良のもので、素晴らしい電池でも発明されたと。電池もしかし、それに関わる材料が必要です。リチウムだとか、色々なものが、これは日本にはございませんから、どっかから持って来なくちゃいけないという、これは希少資源ですから、従ってレアメタルと言われて、稀なわけですね。従って、世界で取り合いになるわけですね。ですから非常に厳しい状況になってきてるということでですね、のぞみがリニアに移る。従ってひかり、こだまが中心になるという甘い話はですね、そう簡単にできるような時代ではなくなってきたというふうに考えています。
(記者)
それでいくと、ひかり、こだまの増発っていうのは、よほどの政治的な約束でもない限り実現しないんじゃないかと思うんですけども、現時点でJRとの間でリニアが全線開通したら確実に静岡にひかりとこだまを増やすという約束は現状あるんでしょうか。
(知事)
ありません。ケインズの言葉にですね、in the long run, everybody is deadっていうのがあります。いつ開通するかわかりませんね。2027年に開通が難しいということは、JR東海さん事業者が自ら言われています。そしてその10年後には大阪までできると。だけど大阪の駅はどこですか、まだ決まってませんね。それからまた奈良の駅はどこですか、決まってませんね。三重の駅についても、中途半端な言い方を知事さんがされています。そうしますとですね、2037年までに開通するってことになってたんですけども、それも難しいかもしれないと。そうするとですね、あなたは生きてらっしゃるかもしれませんけど、少なくとも私はその日の目を見ることができないと。つまり長期的に見るとですね、皆死んでるという、社長さんも果たして御存命かどうかわからないという、そういうことの中でですね、今事業を行われてると。それを全線開通したときに、こうなるああなるっていうことをですね、言うこと自体が非現実的ではないかと思いますね。ただしですね、JR東海さんご自身がリニアが開通すれば、ひかりこだまの本数が増えます。ただし、全線が開通してからですね。全線開通いつですかと。今から20年ぐらい向こうの話なわけです。その時には世界は変わってるでしょ。
(記者)
すいません、リニア関連で、先週金曜日に難波副知事が東京で会見されましたけれども、それに対する知事の受け止めを教えていただきたいと思うんですが。
(知事)
はい。よく招いていただいたと思っております。記者クラブの方で、私に対して招待があったんですけれども、これは対策本部長である、難波君がいいと思う、もちろん今日ここに来ている2人ですね、もう1人市川君でも織部君でもあるいは田島君でも、同じような説明ができますけれども、本部長という職責を預かっていて、かつ、有識者会議にオブザーバーとして、彼は常に同席してるんですけれども、出ているということもあって、難波君に説明していただいて、相当の誤解も解けたんじゃないかと思ってます。
(記者)
その会見の中で、難波副知事がゼロリスクは求めてないっていうような説明する場面があったんですけども、これは知事は大井川の水は一滴も譲らないって言ってる発言との整合性というか、そのゼロリスクについて知事はどのような見解を持っているか教えていただいていいですか。
(知事)
ゼロリスクというものも、リスクゼロのものがないというふうだと思いますけども、今日、難波副知事が自分で自分の言葉で、彼が言った言葉ですから、自分で説明すると言っていました。
(篠原知事戦略監)
この後。
(知事)
この後説明されるということです。
(記者)
一滴も水を譲らないって言って、今までの知事の御発言とゼロリスクについて、どのように知事はお考えを。
(知事)
全量全部戻すというのが約束ですからね。ですからこれは、2018年10月に金子社長が公式の場で言われたことですから。これは守っていただくということです。
(記者)
分かりました。ありがとうございます。
(記者)
話を戻してしまうんですけど、今この回答を読みまして、知事は確かこないだの会見で、有識者会議に資料出すように求めるっていうふうに仰ってたと思うんですけれども、この回答だと、資料出すとは書いてなくて、必要に応じて丁寧に説明していくっていう書き方をしているんですが、まず県が国交省有識者会議ではなく、公開そのものを求めようということになったことと、あとこの今回の回答について知事ご自身からも、公開してくっていうこと自体がちゃんと国論っていうか国民的議論に資するっていう考えでおっしゃっているのかっていうところももう一度いただけますか。
(知事)
そうですね。情報は分けても減りませんからね。ですから持ってらっしゃる情報について、こちらが関心があると、しかもその一部を文献がですね、これはのっぴきならないことが書かれているということで、多大の関心を持ってるわけです。その全文を知りたいということですね。当然我々は知る権利があります。なぜかというと南アルプスに関わることですから。そこで、巨大な湧水が発生する可能性があるっていう意味のことが書かれていると。それはどういう根拠なのか知りたいですよね。そして、知る必要があります。有識者は。あるいはうちの専門部会は。両方がですね、特にこれ公開ですからね、公開するとおっしゃった社長が。ですからこれは、貸し出すということではなくて、国民の誰の目にもそれがわかると。科学者の方たちはいろんな方がいらっしゃいますから、それを見ていろいろ御判断をされるでしょう。そういうふうにするというのは、JR東海、これは、南アルプスに対して、いわば、傷を付けるわけですから、その傷がどういうものなのかということについて、傷はつけても必ず全部完治しますというものなのか、それともすごい後遺症が残るのかというような関心がありますので、我々は最大の関心者です。しかし我々との関わりで、他の沿線の地域も御関心をお持ちだということでですね、同じように、我々は情報、いわゆる秘匿して、隠してですね、他に見せないってことは一切しないと。すべての方に見ていただいていいということでですね。そういう姿勢で一貫してやってきましたので、今回、有識者会議と、それからまた専門部会ではですね、当然その名前において求めまして、それは皆さんの手に渡るように、そこにはジャーナリストもいらっしゃるでしょうから、その方たちもそれをご覧になってですね、有識者の、あるいは専門部会の先生方の話を聞いて判断されればいいと、そして報道されればいいというふうに思っております。
(篠原知事戦略監)
リニアはどうですか。
(記者)
すみません。ゼロリスクについて、ちょっと確認したいんですが、難波さんが今後私たちに、今から私たちに説明されるってことで、それはそれで受け止めるのですが、難波副知事は弊社とのインタビューの中でですね、「一滴も漏らすなということは、ゼロリスクを求めることになる。それは無理な話だ。」というふうにおっしゃってます。で、この後難波副知事がどういう説明されるかにもよるかと思うんですけれども、難波副知事と知事との間にゼロリスクという言葉に対する意見の食い違いとかそういうのはないんでしょうか。つまり、難波副知事のおっしゃることは知事の考えだというふうに私ども考えてよろしいでしょうか。
(知事)
一般論としてリスクはゼロってのはありえないですからね。ゼロリスクっていうのはありえないと、必ずリスクがあると。そのリスクについて議論をするということでしょ。ですからその軽微なリスクかもしれない、重大なリスクかもしれないと。だけど、何か事をすればですね、事を起こせば、完璧にゼロってことはありえないという、一般論として難波君は言ったんじゃないかと思っています。
(記者)
つまり、一滴も譲らないということは、今もお考えは変わらない。
(知事)
変わりません。
(記者)
それがゼロリスクを求めてることじゃないんでしょうか。
(知事)
工事を起こして水が戻されればですね、よろしいわけでしょ。ただしこれは流量に関してだけですけども。水質はどうなるか、生態系はどうなるかっていうことを併せて考えなくちゃいけませんけれども、事を起こせばリスクがあるのは当たり前です。リスク管理をどうしてるのかということを我々は専門部会で議論してるわけですね。だから、事を起こすについては、リスクゼロというのはありえないと。そのリスクに対して科学的にどういう、いわば予見をしているのかと。根拠はどういうものなのかということが議論されねばならないと。ゼロリスクってのは、要するに何もするなってことですから。何もしなければリスクありませんからね。
(記者)
つまりすいません、確認したいんですが、知事がおっしゃってる大井川の水はは一滴も譲らないというご発言。これはゼロリスクを求めてるのではないということでよろしいでしょうか。
(知事)
まあ言葉が違いますからね。大井川の水が失われるっていうことを、工事をすれば起こり得ます。これは許さないということです。
(記者)
一滴も譲らないということですね。
(知事)
一滴も譲らないということですね。
(記者)
それはゼロリスクを求めていることではないんですか。
(知事)
いろんなリスクがあるんじゃないですか。
(記者)
分かりました。この後ちょっと難波副知事からきちんと伺います。
(知事)
そうですね、はい。
(記者)
ありがとうございます。
(記者)
よろしくお願いします。残土問題についてお伺いをさせてください。井川トンネルの件なんですが、静岡市の方では、出てくる残土に対して全量の最終処分場は検討段階ですらないというのが現状なんですが、その現状で着工掘削を始めるのは適切なのかどうか。もし、知事が静岡市長の立場であられたらどういうふうに考えるのかっていうのをお聞かせください。
(知事)
これは記者さんに考えていただきたいと思うんですけど、トンネルを掘れば残土が出ます。ですから残土とトンネルは一体ですよね。トンネル掘るってことは、そこにある土塊をどかすことですから、それをどこに持っていくのかっていうのはこれ一体なわけですね。それから、トンネルを掘る時と残土置き場をどこにするかっていうのは、初めから計画の中に入ってないといけないと。これは2年前余り前にですね、契約が結ばれたと。その時にですね、残土置き場について考えてなかったということが、今の時点であなたがおっしゃってもう驚愕ですよ。あってはならないことです。残土置き場もなしにどうしてトンネルを掘れるんですか。どこに置くんですかと。分かりませんじゃ済まないですよね。だから、掘れないじゃないですか、JR東海さんは。掘ってこれは、掘ったものをどこに持っていくんですか。まだ決めてませんでは掘れませんね。そういう状況じゃないでしょうか。だから、appallingっていいますか、呆れ果てたような状況だと思います。ただですね、今どういう状況かは、詳しくは知りませんけれども、少なくとも私の知ってる限り、駿河区に仮置き場が準備してるというふうに聞いておりますけど、葵区を通らないと駿河区に行けませんからね。一日100台以上のダンプカーがですね、砂煙を上げながら通るなどというのはですね、とんでもない話だと思いますので、ですから、やっぱり市長さんも市当局もですね、この点については、JR東海とお話をされてですね、私は金子社長にどうして三ツ峰落合線なんですかと。閑蔵線というのは、自分は閑蔵線を求めてたとおっしゃってました。閑蔵線ってのは、2.5キロで、半分です。三ツ峰落合線は5キロですから、4,960メートルですからね、2倍です。しかも、車を交差できるようにするので、5キロというと、中部横断自動車道の樽峠と一緒ですよ、巨大な土が出てきます。これを持って行き場がないってことなんですが、しかし2.5キロで、私これは、川根本町に確かめましたらですね、残土置き場は川根本町のすぐそばにですね、用意してあると言ってました。そうするとどこも通らないで、いわば工事現場からすぐのところで残土を処理できるということですから。ですから、この三ツ峰落合線については、あの近くでですね、その土を、これも土も資源ですからね、これを有効活用できるようなところをまず探さないといけませんよね。そうしないと工事それ自体ができないと。しかし、三ツ峰落合線なり、閑蔵線を通らないと工事現場に入れません。で、工事現場には救急車も場合によっては行かなくちゃいけないかもしれないと。その道が崩壊するような危ない道で、しかも霧も出るということでほっとけないというのは、おそらく市長さんもお考えになっているに違いないと。ですから、これは本当は両方掘ってですね。両方とも静岡市の持ち物ですから、土地は。ですから、そういうふうなことも併せて考えるように、今の状況だと、トンネルを掘れないというのが現実になってるんじゃないかということで、非常に心配しております。
私が市長ならどうするか、そういう交渉に入りますよ。JR東海と。間違ってましたと。今残土置き場がありません。こちら2.5キロメートルで5キロですから、短くて済みますので、残土置き場はそこだと。そうすると、運搬距離も少ないし、しかもなんか、聞くところによるとそれ有効活用できるっていうんですよ。中部横断自動車道を掘った時に、残土がたくさん出ました。これはSAとかPAを大きくするとか、谷を埋めるとか、そういう風にして有効活用して、残土は1回も工事現場から町の中に出なかったんですね。こんなのは常識です、トンネルを掘る者にとっては。それをなさらないまま契約を結ばれたってことは、できないことをできるかのごとくに言ったように、取られますからね。ですから、今それが分かった以上ですね、なるべく早くこれを改良したほうがいいと。改善した方がいいと。私ならそういう方向に動きます。 |